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イギリス建築を愉しむ。 ルイ18世も住んだ貴族の館「ハートウェル・ハウス」

2019.10.25

Hartwell House

Hartwell House
今回は、バッキンガムシャーに建つカントリーハウスホテル「ハートウェル・ハウス・ホテル」をご紹介致します。ここはかつて、フランスのルイ18世が英国で亡命生活を送った館でもあり、また、第125代(平成の時代の)日本の天皇皇后両陛下も泊まられたことのあるホテルです。
Hartwell House
建物の主なデザインは、17世紀〜18世紀に建てられたジャコビアン様式で、外観では、縦長の窓を連結させた大きな窓や、塔のデザインを取り入れるのがジャコビアン様式の特徴です。

この建物の南面と東面は、ジョージアン時代に改築されたため、ジョージアン様式も取り入れた外観になっています。
Hartwell House 出入口のある北面よりも美しさが際立つ南面の外観。
Hartwell House クラシカルな雰囲気漂う東面の外観も魅力的です。
次に、ハートウェル・ハウスのインテリアのご紹介です。
ハートウェル・ハウスでは、1723年から2年間にわたって内装を改装しました。
イングリッシュ・バロック様式とジョージアン様式のデザインを得意とする建築家James Gibbs(1682-1754)によって手掛けられたインテリアは、装飾材の強調と比較的大胆な色使いで、なかなかインパクトの強い印象です。
Hartwell House まずはグレート・ホールと呼ばれるエントランス・ホール。
このお部屋の壁は、同系色のイエロー、クリーム、ホワイトの3色の塗り分けが施されていて、広い空間を単調に見せません。そして大きな天井装飾にも圧倒されます。
Hartwell House ドローイング・ルームでは、グリーン系のダマスク柄の壁紙と、凹凸のある天井装飾に見惚れます。
Hartwell House ロココ・シーリングと呼ばれる天井装飾で、通常よりも細やかで装飾性の高い、存在感のある石膏装飾に、パステルカラーのペイントの多色塗り分けが施されています。
Hartwell House ライブラリーは、たくさんの本がインテリアの一部として飾られた空間です。大きな台形の出窓から、裏庭を眺めながら読書の出来る、気持ちの良いお部屋でした。
Hartwell House 貴族の館でよく見かける本棚ドア(本棚のように見えて、実は扉になっている物です)がここでもみられました。
Hartwell House ジャコビアン・スタイルの大階段にはルイ18世と王妃の肖像画が飾られています。発色の良いグリーンのカーペットとピンクの壁紙が、豪華なインパクトを与える空間でした。
Hartwell House Hartwell House
ディナーもこの館でいただき、ディナーの後は裏庭にあるテラス席でティータイム。
日の長い、夏のイギリスならではの楽しみ方です。
まるでまだ夕方のような明るさのお庭で、荘厳な館を背に、緑と鴨達を眺め、森の新鮮な空気を吸い、くつろぎながら、食後のコーヒーをいただきました。
Hartwell House
夕食と朝食を戴いたダイニングルームは、グレート・ホール同様にクリームイエロー系の塗り分けされたお部屋です。天井と壁をより優しい印象にするために、アーチやドームを用いた手法で、居心地の良いインテリアに仕上げています。ここからのお庭の眺めも最高でした。

ロンドンから1時間半ほどで着く、貴族の館「ハートウェル・ハウス」、是非訪れてみてはいかがでしょうか。

HARTWELL HOUSE
住所: Vale of Aylesbury, Buckinghamshire HP17 8NR
URL:www.hartwell-house.com
Photo & Text by Koichi Obi


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小尾 光一

小尾 光一

工学院大学工学部建築学科卒業後、輸入住宅会社、リフォーム会社勤務を経て、「地面から生えたような」と形容されるイギリスの家に魅了されて渡英を繰り返し、デザイン・知識の習得とともにイギリス建材の開拓を重ね、2000年にコッツワールドを設立。イギリスであれば何処のエリアの建物も、そしてインテリアも実現するイギリス住宅専門の建築家として活動中。日英協会、イギリスを知る会所属。
著書「英国住宅に魅せられて」

ホームページ:
www.cotsworld.com
ブログ:
cotsworld.blog136.fc2.com
Facebook:
www.facebook.com/cotsworldltd

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