第53回 フジロックに出演のアン・マリーに注目 | BRITISH MADE

BM RECORDS TOKYOへようこそ 第53回 フジロックに出演のアン・マリーに注目

2019.07.11

UKの空手歌姫、降臨!!

今年も“フジロックフェスティバル ’19”が7/26、27、28に新潟県湯沢町苗場スキー場にて行われます。これまでもUKの女性シンガーについて書いてきたので、今回はフジロック出演のUK勢の中から、26日に出演するシンガーソングライターのアン・マリーに注目してみます。
アン・マリー
彼女は生まれも育ちもイングランドのエセックス。2才から13才まで歌やダンス、演劇などを学べる地元のパフォーミング・アート・スクールに入学していました。その才能は幼少期から発揮され、ミュージカル「レ・ミゼラブル」、「ウエスト・エンド」などで役を得るほどだったそうです。その傍ら、9才で始めた松濤館空手で国際チャンピオン2冠を獲るなど、早々に多様な才能が開花。エルトン・ジョンが創立したロケット・レコードでのレコーディングがきっかけで注目を浴び、2015年にEP「カラテ」でデビューを果たします。
このビデオ、空手の形と一緒に、歌の中では「いち、に、さん、し」と日本語のカウントが歌われています。

その後、ショーン・ポールと共にボーカルを務めたクリーン・バンディット2016年リリースの「ロッカバイ」が、全英シングル・チャート9週連続1位を飾りました。
シングルマザーへと捧げられたこの曲のタイトルの“Rockabye”とは子守唄を指し、歌詞の一節として歌われている“RockaBye Baby”とは、18世紀後半のマザーグース(ナーサリー・ライム)としてお馴染みの子守歌です。

彼女の勢いは止まることなく、英国レコード産業協会(BPI)主催の「BRIT Awards 2017」ではブリティッシュ・ブレイクスルー・アクトを含む4部門にノミネート。さらには長年の友人であるエド・シーランのヨーロッパ・ツアーでオープニング・アクトに抜擢され、昨年にはマシュメロとのコラボ曲「Friends」が全英シングルチャートで最高4位、USビルボードチャートで11位を獲得。この曲の動画再生回数はすでに7000万回を突破しています。
そして、今年4月にリリースした「Speak Your Mind」で世界的なブレイクを迎えました。
今年4月には恵比寿LIQUIDROOMで2日間の単独来日公演を開催。両日ともソールドアウトでした。

日本の公式webに書かれているキャッチフレーズは、ズバリ「UKの空手歌姫」。ノリの良いエレクトロ・ポップ、キュートなルックス、「ありのままの自分らしさを受け入れて」と訴える真っ直ぐで飾らないキャラクターとリリック。残念ながら私はまだ彼女のライブを生で観ていませんが、こうした魅力の数々からも、すでに日本でも多くの女性リスナーの共感を得ている状況は大いに納得です。ぜひチェックしてください。

彼女の他にも、今年のフジロックには、人気DJのジョナス・ブルー、UKジャズの注目株 コメット・イズ・カミング、ロック勢からはザ・ウォーターボーイズ、さらには話題のジャズ・ファンク・バンド、マタドール!ソウル・サウンズらが出演します。こちらもぜひチェックを。

それではまた!

Text by Uchida Masaki

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内田 正樹

内田 正樹

エディター、ライター、ディレクター。雑誌SWITCH編集長を経てフリーランスに。音楽をはじめファッション、映画、演劇ほか様々な分野におけるインタビュー、オフィシャルライティングや、パンフレットや宣伝制作の編集/テキスト/コピーライティングなどに携わる。不定期でテレビ/ラジオ出演や、イベント/web番組のMCも務めている。近年の主な執筆媒体は音楽ナタリー、Yahoo!ニュース特集、共同通信社(文化欄)、SWITCH、サンデー毎日、encoreほか。編著書に『東京事変 チャンネルガイド』、『椎名林檎 音楽家のカルテ』がある。

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