あの夏、海が呼んでいた。ロンドンの海岸線へゆく | BRITISH MADE

カメラを片手にイギリスへ。 あの夏、海が呼んでいた。ロンドンの海岸線へゆく

2020.07.02

セブンシスターズ
こんにちは。リモート英国大学生のあかねです。

こんなご時世なので、「日本に居ながらイギリスの大学生をしているよ」という、
5年後くらいに話のネタになりそうな自己紹介から始まりました。

イギリスへの想いを馳せながら、しばらくは自宅で過ごす日々が続き、

「早く安心して、出かけられるようになったらいいな。」
「予定していた旅行、日本にいる間にリベンジ出来たらなあ。」

ぼんやりと窓の外を眺めながら、そんなことを考えていました。

きっと皆さんの中には、夏休みに海外旅行を計画していた方もいらっしゃったのではないでしょうか。


夏に訪れたい旅行先といえば、定番のリゾート地ハワイ、エキゾチックな楽園バリ島、それともプロヴァンスの風を感じられる南仏リゾート?


いえいえ。夏こそ是非イギリスを訪れていただきたいです!

「イギリスって曇りや雨ばっかりじゃないの?」という声が、聞こえてくるようです。笑

この記事を読み終えた暁には、あなたもきっと英国サマーの虜になってしまうこと間違いなしですよ〜

イギリスの旅行シーズンの醍醐味は…?

皆さんもよくご存知、イギリスの代名詞とも言われる“天気”のお話。

今日はちょっと晴れたなぁと散歩を楽しんでいたら、急に雨雲がやってくる。サーっと雨が降ってきて、また何事もなかったかのように晴れる。

ある時には、ついさっきまで快晴だったのに、急にひょうが降ってきたり。

ローカルが、“We have four seasons in a day.(=僕たちは1日に4つの季節を感じられるよね。)”と口を揃えて言うほど、1日の天気がとっても変わりやすいのです。

しかしそんなイギリスでも、5月頃になればだんだん天気が安定してきて、グッと気温も上がり始めます。


ここで皆さんに問題です。まずは2枚の写真をご覧いただきましょう。


“ある日の午後、ロンドンガールたちが談笑しながら横を通り過ぎて行った。
大英博物館へふらりとお散歩へやってくる。それが彼女たちのロンドンの遊び方。


“夕暮れ時のロンドン。
少しずつ日が傾いていくごとに、クラシックな建物が西日に美しく染められていく。”

これらの写真は、何時頃に撮られたものだと思いますか?
写真を見て、ずばり直感で答えてみてくださいね。

…正解を発表します。
1枚目は [夜7時]、そして2枚目は [夜9時] でした。

「えっ、そんな夜遅いの?」と驚いた方、ありがとうございます!

あまりイメージないかと思いますが、イギリスは日本と比べると高緯度の地点に位置します。イギリス最南端の場所でも、北海道よりさらに北になります。

なので、夏になると日照時間が非常に長く、夜9時を過ぎてもまだ明るいのです。

ブリティッシュサマーの醍醐味は何と言っても、こうして1日がとても長く感じられるということです。

待ってました、イギリスの夏

夏が近づくと、人々はキャミソールやTシャツを引っ張り出し、超特急で衣替え。ワイワイと外へ繰り出し、全身で日光浴を満喫します。

その様子は、まるで冬眠から目覚めた森の動物たちのよう。私も現地での生活を続けていくうち、彼らの気持ちが深くわかるようになってきました。

そしてイギリス生活が丸2年経った時、「太陽の陽射しを感じられる時に、写真を撮りに行きたい」と、どうしても夏に訪れたかった場所へ足を運ぶことに。
セブンシスターズ
それは、イギリスの南海岸地方。イギリス海峡を望む美しい海岸線が続き、洗練されたリゾートホテルが軒を連ねます。

「夏の休日に行きたい場所は?」と聞くと、誰しもがこのエリアを挙げるほど、英国人にとても人気の高いエリアです。
ブライトン のんびりと浜辺での時間を楽しむ、地元の若者たち。
このエリアで最も有名なのは、ブライトンという街。

その知名度は昔から高く、1750年代頃からロンドン上流階級の人々の保養地として名を馳せていたそうです。

ロンドンから日帰りで行けるビーチリゾートなので、ブライトンを含む南海岸線沿いは「ロンドンの海岸線」と呼ばれるほど。

ブライトン ポップなカラーで彩られた町並みは、とてもフォトジェニックだと話題です。
ブライトン 街の中心から海に向かう道はどこも下り坂で、その通り沿いには閑静な住宅が立ち並んでいます。
坂を下って行く先には水平線が見えてきて、心地良い開放感に誘われます。思わず駆け抜けたくなるほどの清々しい気持ちに。
ブライトン
ブライトンのビーチへ降り立つと、気づくことがあります。
それは、小石で埋め尽くされている浜辺なのだということです。日本では、なかなか珍しいですよね。

足元の砂の心配をする必要がないので、サンダルに履き替えなくも、そのまま気軽に立ち寄れますね。

太陽と潮風感じる、贅沢なリゾートライフ。
ビーチでのんびり読書なんかも良いですね。
ブライトンピア
ブライトンのランドマークといえば、ブライトンピア。その桟橋の上にあるのは遊園地と巨大なアミューズメントセンターです。
ブライトンピア
仕事帰りにふらっと立ち寄る地元の人も多いようで、お父さんが子どもたちを連れて家族で大はしゃぎ。海上のエンターテイメント施設は、大人も思わず童心に帰って楽しめてしまう場所でした。

白亜の絶壁と、その先にどこまでも広がる海。

イギリスの南海岸地方には、とっておきの絶景スポット、「セブンシスターズ」があります。
セブンシスターズ
この場所、見覚えありませんか?

映画『ハリーポッターと炎のゴブレット』のロケ地としても知られている場所です。コアなファンの方へ、ちらりとヒントを。本編の中で、クィディッチの世界大会が行われていた場所、是非思い返してみてください。

「セブンシスターズ」という名前の由来は、その海岸線の形から。横から断崖を見ると、7人の修道女(シスターズ)が佇むように断崖が連なっていることからそう呼ばれるようになったのだそう。

ここへは先ほどのブライトンからバスに乗り、1時間弱で「セブンシスターズ・カントリーパーク」という最寄りのバス停まで行くことができます。

バスを降りた後、その絶景に出会うには徒歩で30分ほどかかります。牧草地帯を眺め羊たちと戯れながら、ひたすら潮の香りを辿って海岸線へ向かって歩きます。

そして目の前に現れるのは、壮大な “自然の彫刻”。
セブンシスターズ
どこかノスタルジックなベールを羽織った絶壁と、蒼々とした手つかずの自然に圧倒され、しばらく感嘆の声さえ奪われてしまうほどの美しさです。

ちなみにこのように断崖が白い理由は、その材質にあります。白亜という石灰岩の一種で、英語で言うと“Chalk”、つまりあのチョークの原材料となっているものです。

この崖は根元部分が波によって侵食され、豪雨の後などに一気に崩れ落ちることが原因で、1年間に30~40センチのペースで、海岸線沿いから削れてしまっているのだそう。

きっと遠い未来、この彫刻は自然に消滅してしまうかもれない。同じ景色は、その時にしか見れないのだなぁ。

そんな自然の摂理に気付いた時、刹那の尊さを改めて感じるのでした。


〜フォトグラフィー作品はこちらから〜
InstagramWebsiteにて、とっておきの作品たちを公開しています。
今回は、家から飛び出して英国旅行に行った気分になるような、
ブリティッシュサマーの過ごし方をご紹介しました。

爽やかな海風、美しき海辺の絶景。雄大な自然。
あの時切り撮った写真たちは、その時の一瞬の感情までも蘇らせます。
皆さんも是非、イギリスの夏を現地で体感してみてくださいね。

それでは、次回もお楽しみに!Have a lovely weekend

Photo&Text by Akane Ban


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伴あかね

伴あかね

現役大学生、フォトグラファー。
日本の高校を卒業後、 19歳の時に単身渡英。カメラを片手に英国と日本を行き来し、ノマドフリーランスのフォトグラファーとして活動している。普段は英国大学で写真を専攻しながら、“ヨーロッパの空気を纏う瞬間”をテーマに日常のワンシーンを切り撮る日々。日本食、イギリス英語、ハリーポッターが大好き。

www.akaneban-creative.com

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