
入口にはサットン・フーを象徴するヘルメットの巨大なアート作品が飾られている。歴史に興味のある人にとってはすでによく知られていた遺跡ですが、その人気がさらに高まったのは、Netflixで放映された映画『The Dig(邦題:時の面影)』の影響が大きいようです。実は私も、この映画を見て、イースト・アングリアにあるアングロサクソン時代の古墳をどうしても見てみたくなったひとりです。
イーディス・プリティが住んでいた自宅 ‘Deben View’。2階部分はリフォームされた2ベッドルームの宿泊施設になっていて、予約をすれば誰でも宿泊可能。
実物大の船のレプリカ。その大きさから当時の王の権力がしのばれる。実際の船葬墓まで歩いて行く途中は、広々としたゆるやかな丘に自然が広がっています。放牧された羊が草を喰む景色を見ながら「1400年前の人々が見ていた頃と今ではどう変わったのだろうか」
「盛大な王の葬儀にはどれほど多くの人々がこの地に集まってきたのだろうか」とイマジネーションを膨らませずにいられません。
左手の丘を登っていくと王家の埋葬地。葬儀の際にはここに人々が詰めかけていたのかもしれない。
レドワルド王の船葬墓。ここにレプリカで見た船が埋葬されていたと想像するだけでその壮大さに圧倒される。写真中央は展望タワー。ナショナル・トラストによれば、サットン・フーの研究調査は現在も続いていて、また、まだ発掘をせずに残してあるものもあるといいます。これは、将来、発掘調査の技術が現在よりも進歩した時に、更に詳細な研究調査をするためなのだそうです。この地はまだまだ多くの歴史的謎に包まれていると思うと、考古学者でなくてもなんだかワクワクしてきます。
レドワルド王の墓とは別の古墳だが、ここからも小さな船が発掘された。
今年完成した17メートルの高さの展望台から見下ろした古墳群。
出土品の中でも最もよく知られる戦士のヘルメット(レプリカ)。1970年代に大英博物館の修復士によって何百もの破片になったものが復元され、当時の姿形を知ることができるようになった。サットン・フー(Sutton Hoo)
住所:Sutton Hoo, Woodbridge, Suffolk, IP12 3DJ
オープン時間:施設、日によって変更が多いため、訪問前にウェブサイトにて確認をしてください
入場料:大人14ポンド、子供7ポンド
ウェブサイト:https://www.nationaltrust.org.uk/sutton-hoo
*大英博物館によるサットン・フー紹介:https://www.britishmuseum.org/collection/galleries/sutton-hoo-and-europe
Photo&Text by Mami McGuinness
マクギネス真美
英国在住22年のライフコーチ、ライター。オンラインのコーチングセッションで、人生の転換期にある方が「本当に生きたい人生」を生きることを日本語でサポート。イギリスの暮らし、文化、食べ物、人物などについて書籍、雑誌、ウェブマガジン等への寄稿、ラジオ番組への出演多数。ポッドキャスト"The Real You with Mamita"および音声メディアVoicy「英国からの手紙『本当の自分で生きる ~ 明日はもっとやさしく、あたたかく』」にてイギリス情報発信中。
ロンドンで発行の情報誌『ニュースダイジェスト』ではコラム「英国の愛しきギャップを求めて」を連載中。
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