BRITISH MADE

ブリティッシュ“ライク” ヨーロッパ満喫日記 カーディフ篇2

2019.12.26

カーディフ最終日。オックスフォードコッツウォルズを経由した約一週間の周遊が終わり、ロンドンに戻る日だ。我々が宿泊したのは、カーディフから5マイル北に進んだ丘陵にあるニューハウスカントリーホテルだ。土地のスケールが圧倒的で、どこまで敷地なのかが肉眼ではわからない。それに比例するかのように、部屋のサイズもこれまで宿泊したホテルの中で最も広かった。特に印象深いのは部屋と繋がる庭だ。一歩外に出れば、目の前には雄大な景観が広がる。丘から見下ろすカーディフの街並みはえもいわれぬ美しさだ。晴れたときはカーディフベイまで見渡せた。この庭に腰を下ろし紅茶を飲みながら、風にそよぐ芝生や鳥のさえずりに耳を傾けた。贅沢な環境に耽った。 当初、この日はカーディフベイを訪れる予定だった。しかし、息子に咳の症状がみられたため、急遽予定を取りやめてロンドンの病院へ向かうことにした。カーディフを後にした我々は、往路と同じくモーターウェイM4をまっすぐ走りロンドンを目指した。プリンス・オブ・ウェールズ橋を越えれば再びイングランドだ。国境から走ることさらに1時間。休憩がてら訪れたのはレイコックという小さな村だ。ここは母が所望した最後のエリアだ。レイコックは、コッツウォルズの一部として紹介されることが多いが、地図を見る限りコッツウォルズの丘陵地帯からはずいぶんはみ出した場所にある。この村の象徴として名高いのがレイコックアビーだ。もともと女子修道院として13世紀に建立され、現在はナショナルトラストによって管理されている。映画「ハリーポッター」や、ドラマ「ダウントンアビー」のロケ地としても名高く、中でも回廊は人気スポットらしい。
予約したロンドンのアクトンにあるジャパングリーンメディカルセンター には時間通り間に合った。これまで様々な国を訪れたが、外国で病院を利用するのは初めてである。見聞する限り、英国の病院は診察がいい加減、たらい回しにあうなど、ろくでもない悪評ばかりだ。それに加えて、症状を英語で説明するのは一筋縄ではいかないだろうと相当身構えていた。ところが病院に入ってみれば、医師をはじめスタッフの方々、さらには患者もすべて日本人で拍子抜けしてしまった。診断の結果、感染症ではなく風邪の初期症状だったようで、すぐに投薬してもらい事なきを得た。今回の旅行では、乳児を帯同させるにあたり、もしもの場合に備え手厚い保険に入っていた。結果、高額な支払いが不要で大変助かった。改めて保険の重要性を実感したのである。
Japan Green Medical Centre

この周遊の仕上げはレンタカーを返却することだ。前回はこれで痛い目にあったため、難癖をつけられてはならぬと、ガソリンを溢れんばかりに補充して返却に向かった。対応してくれたのは、借りた時と同じスタッフだ。車のチェックを入念に行い、ゆっくりとこちらを振り返って口を開いた。
「ガソリンは…」
その瞬間に遮るようにして僕は言った。
「満タンだ!!」
彼は首を振りながらこう返した。
「いや、満タンにしなくていいようにプランを組んだのだが…」
まさに青天の霹靂。予約時に満タンにして返すプランを選択したとばかり思っていたが、彼曰く、満タンにしなくてもいいように変更してくれていたようだ。きちんとその旨も伝えてくれていたらしいが、あいにく聞き逃してしまっていた。もはや言い争う気力もなく、静かにその場所を離れた。今回もまたレンタカーリベンジに失敗し、£100も損した。一体いつになったらレンタカーをスムーズに使いこなせるようになるのだろう。“二度あることは三度ある”か、“三度目の正直”となるのか。レンタカーとの格闘は続く。

Photo&Text by Shogo Hesaka


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部坂 尚吾

部坂 尚吾

1985年山口県宇部市生まれ、広島県東広島市育ち。松竹京都撮影所、テレビ朝日にて番組制作に携わった後、2011年よりスタイリストとして活動を始める。2015年江東衣裳を設立。映画、CM、雑誌、俳優・タレント・文化人のスタイリングを主に担い、各種媒体の企画、製作、ディレクション、執筆等も行っている。山下達郎と読売ジャイアンツの熱狂的なファン。
江東衣裳
http://www.koto-clothing.com

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