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イギリス建築を愉しむ。 至極の館で至福の食事と宿泊を愉しむ。

2018.11.30

Belmond Le Manoir Aux Quat’Saisons

今回ご紹介するのは、オックスフォード駅から車で30分、グレート・ミルトンという場所にある、レストラン兼ホテルの「Belmond Le Manoir Aux Quat’Saisons(ベルモンド・ル・マノワール・オ・キャトル・セゾン)」です。ミシュランの2つ星を獲得したフランス人シェフのレイモン・ブラン氏が、17世紀に建てられたマナーハウスを買い取って1984年にオープンしたホテルで、以前から度々話題になっていました。私もずっと気になっており、2017年初めて訪れて参りました。
暖色系の屋根・外壁に加え、温かな色味の明かりがこぼれ、ほっとする姿でお出迎えしてくれます。
車通りも少ない田舎道を長らく走り、さらに車一台ほどの幅しかない小道をくねくね進むと、ようやくマナーハウスらしい立派な門柱が現れます。その奥に建つ、もう一組の門柱を抜けると、ついに目の前に憧れのル・マノワールが!外観は、ハチミツ色のコッツウォルドストーン、赤い瓦屋根、背の高いブリックの煙突の組み合わせで、建物にもイギリスとフランスの融合を感じます。到着してやっとこの立地の理由がわかりました。なんと、ここには広大な菜園を備えていて、自家栽培の野菜を沢山育てていたのです。私が訪れたこの日も、霧雨のなか何人ものスタッフ達が熱心に菜園の世話をしていました。
広大な菜園で作業をしているスタッフ達。ここで採れる新鮮な野菜や果物が料理に使われます。

絶品のディナー

自家栽培でシェフのこだわりを感じられ、より一層お料理への期待が高まりましたが、その期待通り、ディナーもブレックファストも素材を活かしたフランス料理で、感激の連続でした。
飾り付けのようにあしらわれた葉一枚までが、味わい深い良いアクセントになっていて、感激します!

ベッドルーム「Bluebell」

宿泊した部屋は「Bluebell」という名前の部屋で、ブルー&ホワイトのトワレ柄(仏:トワル柄)の壁紙、カーテンでコーディネートされた、可愛らしさと爽やかさを併せ持つインテリアです。ウェブサイトを拝見して気に入ったので、事前にこの部屋をリクエストしておきました。部屋には、同系色のブルーのチェック柄のソファがとても良く似合っていて、コーディネートの参考になります。
部屋に入った瞬間にルームフレグランスの良い香りが・・・
バスルームは、広い空間に、猫脚のバスタブ、シャワーブース、洗面台キャビネット。 洗面台やバスタブは優しいペールブルー色で揃えられており、ここにもお部屋と同じトワレ柄のカーテンがコーディネートされています。床は素足でも気持ちの良いテラコッタタイルで、これまたフランスの香りがする空間です。
シャワーブースで頭と体を洗ってから、猫脚のバスタブにつかってリラックス・タイム。

パブリックスペースの内装

客室だけでなく、パブリックスペースのインテリアも上品で落ち着きます。 コンテンポラリーな要素も上手に取り入れたドローイングルーム、ダークブラウンのオークのパネル、ライムストーンの暖炉、ふかふかで可愛らしい色柄のカーペット、ぽってりとした木製の階段材、そして広くて気持ちの良いコンサバトリー(夕食と朝食はこちらでいただきます。)どのお部屋も素朴ながら上品で居心地の良い空間を作り上げています。

美味しい朝食とレイモン・ブラン氏

朝食はイングリッシュ・ブレックファストまたはフレンチ・ブレックファストから選びます。
どれから食べようか迷ってしまうほど美味しそうな物ばかり!並べ方にも美意識が感じられます。
焼きたてのパンはどれも美味しく、買って帰りたいと言ったらお土産にして下さいました。
朝食時には、シェフのレイモン・ブラン氏が一席ずつご挨拶にまわってくれました。日本から来たことを伝えると、とても喜んで下さり、ここの菜園の一部に日本人が手掛けた日本食材の菜園もあることを教えてくれました。
素晴らしい美食と美空間を堪能できるお薦めホテル&レストランです。
BELMOND LE MANOIR AUX QUAT’SAISONS
住所: Church Road, Great Milton, Oxford, OX44 7PD
URL: www.belmond.com
Photo & Text by Koichi Obi

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小尾 光一

小尾 光一

工学院大学工学部建築学科卒業後、輸入住宅会社、リフォーム会社勤務を経て、「地面から生えたような」と形容されるイギリスの家に魅了されて渡英を繰り返し、デザイン・知識の習得とともにイギリス建材の開拓を重ね、2000年にコッツワールドを設立。イギリスであれば何処のエリアの建物も、そしてインテリアも実現するイギリス住宅専門の建築家として活動中。日英協会、イギリスを知る会所属。
著書「英国住宅に魅せられて」

ホームページ:
www.cotsworld.com
ブログ:
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Facebook:
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